眠り姫にならなってもいい。

彼はアタシの王様。

アタシの世界の王様で、
アタシの全てを動かしてる。


『俺はRENの王様だもんね』
って、
彼が友達の前でアタシに言った。

アタシはにっこり、
「そう、王様」
って答える。

答えただけじゃなく、
実際そう思ってもいるし実際王様だから。

酔っ払ってる彼は、続けて
『RENは女王様だもんね』
って覗き込んだ。
でも、それにアタシは
「あたしは女王様じゃない。」
って、少し不機嫌になって言い返した。

『俺の前では女王様じゃん』
ちょっと悲しい顔をしてたけど、
「違う」
って言い通した。


アタシは女王様にはなれっこない。
王女様にならなれるかもしれないけど、
王女様にはなりたくない。
絶対に。


アタシは姫でいたいの。

ずっと。